こんにちは!
今回は、グループ分類について解説していきます。
含水率(高/低)とイオン性(非イオン/イオン)の組み合わせで決まります。
装用感・乾きやすさ・汚れやすさ・ケア頻度に影響するため、特性を知ると“自分向き”が見つかります。
この記事は、初心者でも迷わず選べるように早見表→特徴→用途別の選び方→トラブル対処の順に整理しました。
まずは早見表(図解)
FDAグループ | イオン性 | 含水率 | 特徴の傾向 | 向いている人/シーン |
---|---|---|---|---|
Ⅰ | 非イオン | 低含水(<50%) | 乾きにくい / タンパ汚れに強い / 酸素透過は相対的に低め | 空調の効いた室内・長時間PC/スマホ・花粉時期に汚れが気になる人 |
Ⅱ | 非イオン | 高含水(≥50%) | つけ始めの装用感◎ / 汚れに比較的強い / 脱水しやすい | 装用感重視・日中の装用が中程度・こまめに目薬を使える人 |
Ⅲ | イオン | 低含水(<50%) | 乾きにくい / タンパ付着しやすい | 乾燥が苦手・ただしケア(こすり洗い/タンパ除去)が苦でない人 |
Ⅳ | イオン | 高含水(≥50%) | 装用感◎ / 酸素通しやすい / タンパ付着&脱水しやすい | やわらかい装用感が好き・1DAYで清潔を保ちたい人 |
※表は従来型素材の一般的な傾向です。後述のシリコーンハイドロゲルは“酸素を水分ではなくシリコーン成分で通す”ため、I〜IVの含水率による考え方がそのまま当てはまりません。
グループ分類とは?(かんたん解説)
- 分類軸は 含水率 と イオン性 の2つ。
- 含水率:レンズ内部の水分量。
高含水はやわらかく装用感が良い反面、脱水→乾きやすい傾向。
低含水は乾きにくく形状安定だが、酸素透過は相対的に低め。 - イオン性:素材が電荷を帯びるか。
イオン性は涙中のタンパや汚れを引き寄せ曇り・にじみが出やすい。
非イオン性は汚れに強くクリアな視界を維持しやすい。
重要:どのグループでも装用時間の遵守・正しいケア・定期検診が視界と安全性を左右します。
グループⅠ:非イオン × 低含水
特徴
- タンパ汚れが付きにくく視界が安定しやすい。
- 乾きにくい一方、酸素透過は相対的に低め。
装用時間の管理が大切。
向いている人
- 空調が強い職場、長時間のデスクワーク。
- 花粉・メイク移りが気になる季節でも汚れに強いレンズを選びたい。
注意点とコツ
- **瞬目(まばたき)**を意識して乾燥を予防。
装着液の併用で装用感を補強。 - 長時間装用は避け、帰宅後は早めに外して眼を休ませる。
グループⅡ:非イオン × 高含水
特徴
- つけ始めのやわらかい装用感が魅力。非イオン性で汚れに強め。
- ただし脱水しやすく、夕方に乾燥感・にじみを感じる場合がある。
向いている人
- 装用時間は中程度・つけ心地優先の人。
注意点とコツ
- 乾燥環境では装着液+人工涙液をセットで運用。
- 夕方の乾きを感じやすいなら1DAYでリセット運用が快適。
グループⅢ:イオン × 低含水
特徴
- 乾きにくさが強み。低含水で形状安定。
- タンパク付着しやすいため、こすり洗い&週1のタンパクケアがカギ。
向いている人
- 乾燥は苦手だが、日々のケアを厭わない人。
注意点とコツ
- 視界の白っぽさ/にじみが出たら早めに洗浄。
改善しないなら1DAY化を検討。
グループⅣ:イオン × 高含水
特徴
- 装用感◎、酸素も通しやすい傾向。
- タンパ付着&脱水が起きやすく、こまめな交換が前提。
向いている人
- つけ心地最優先。
1DAY中心で清潔を保ちたい人。
注意点とコツ
- 夕方のにじみ対策に装着液+短時間のオフで回復を。
高含水 vs 低含水(どっちが自分向き?)

- 高含水:やわらかくつけ心地が良い。
ただし乾きやすいので乾燥環境では目薬や休憩が必須。 - 低含水:乾きにくく形状安定。
長時間装用時は酸素不足に要注意で、装用時間の管理がより重要。
目安:乾燥しやすい人・空調の強い職場→低含水寄り。つけ心地最優先→高含水寄り。
イオン性 vs 非イオン性(汚れ方が違う)

- イオン性:タンパや化粧汚れを引き寄せやすく、曇り・にじみが出やすい。
丁寧なケアで清潔に保てる。 - 非イオン性:汚れに強く、クリアな視界が持続しやすい。
花粉シーズンやメイク移りが気になる人は非イオン性が扱いやすい傾向。
【重要】シリコーンハイドロゲルは“別枠”
- シリコーンハイドロゲルはシリコーン成分で酸素を通すため、含水率の高低に依存せず高い酸素透過性を実現。
- 乾燥・酸素不足・夕方の見えにくさに悩む人の有力候補。
ただし素材特性上、装用感や相性は個人差があるため、眼科で度数・BC適合を確認しましょう。
ライフスタイル別の選び方(実践ガイド)
デスクワーク中心:空調強め・瞬目減少→低含水(I/III)やシリコーンハイドロゲルで乾きにくさを優先。
外回り/長時間移動:装着時間が長い→シリコーンハイドロゲルや1DAYで清潔・酸素を確保。
スポーツ:汗・ほこり・ズレ対策→1DAY+低含水で安定感を重視。
花粉・アレルギー:汚れ付着を抑えたい→非イオン性(I/II)+1DAY。
装用感最優先:つけ始めの快適さ→高含水(II/IV)またはシリコーンハイドロゲル。
装用サイクル別のポイント(1DAY / 2WEEK / マンスリー)

- 1DAY:毎回新品で衛生的&時短。汚れやすいⅢ/Ⅳとの相性が良い。
コストは上がるがトラブルを減らしやすい。 - 2WEEK:コスパと衛生のバランス。
こすり洗い+週1タンパケアが前提。 - マンスリー:ケア徹底で管理できる人向け。
装用時間・洗浄・ケース管理に注意。
いずれも装用時間の遵守と定期検診が大前提。
よくあるトラブルと対処(原因→やること)
- 白っぽいにじみ:汚れ/タンパ付着 → こすり洗い+タンパクケア、1DAY化を検討。
- レンズの縮み感:脱水 → 装着液、乾燥環境の見直し、高含水→低含水/シリコーンハイドロゲル素材へ切替検討。
- 終盤のゴロゴロ:装用時間超過/汚れ → 早めに外す、交換サイクル厳守。
- 急な見え方の悪化/痛み:外して眼科へ。自己判断で継続装用しない。
失敗しない選び方(チェックリスト)
- 乾燥を感じやすい → 低含水(I/III)またはシリコーンハイドロゲル
- つけ心地最優先 → 高含水(II/IV) or SiHy
- 汚れが気になる/化粧移りが多い → 非イオン性(I/II)
- ケアは最小限にしたい → 1DAY(特にⅢ/Ⅳ)
- 長時間装用が多い → シリコーンハイドロゲルを第一候補に
どのグループでも、装用時間は推奨内・こすり洗い・定期検診が基本です。
よくある質問(FAQ)
Q. 高含水は乾燥に強い?
A. つけ心地は良い一方、脱水しやすく乾きやすいのが一般的。
乾燥環境では装着液や休憩をセットに。
Q. 夕方のにじみ・白っぽさが気になる
A. 汚れや脱水が原因のことが多いです。
非イオン性や低含水、または1DAY/シリコーンハイドロゲルの検討を。
Q. どのグループが一番安全?
A. 安全性は正しい使い方で大きく変わります。グループ差より、装用時間厳守・ケア・定期検診を優先してください。
Q. シリコーンハイドロゲルに変えると必ず改善する?
A. 多くの人で酸素不足感や夕方の見え方が改善する例はありますが、装用感の相性に個人差があります。
試用と眼科での適合確認が最短ルートです。
Q. 高含水/低含水の“%”はどこで分かる?
A. パッケージや製品情報に含水率として記載されています。
迷ったら眼科や販売店で確認しましょう。
まとめ
- I〜IVは含水率×イオン性の組み合わせで特性が決まる。
- 乾きが気になるなら低含水寄り、装用感を優先するなら高含水寄り。
- 汚れやすさはイオン性>非イオン性。
- 近年主流のシリコーンハイドロゲルは“別枠”。
乾燥・酸素不足に悩む人の強い味方。 - 最終判断は眼科での度数・BC適合と装用感。
ライフスタイルに合わせて“ちょうどいい”を見つけましょう。